ストーリーの作り方

キャラクターが生まれましたら、次はストーリーを作りましょう。

順序は逆でもかまいません。

ストーリーを先に思いついて、あとからキャラクターを生み出したり

作りなおすということもあると思います。

 ストーリーは小さなエピソードの積み重ね、起承転結の連続から成り立ちます。

エピソードを作るには話の種を見つけましょう。

話の種はあなたのアイデアや空想・妄想でもよいのですが、

既に持っている原体験から発生したものを優先的に選択するとベターです。

 なぜなら、一度あなたの体を通して出てきたものは、どんなに脚色された話でも、一面、真実の妙味があるからです。

と、言われても自分は面白い話の種になる体験をしたことがない。

と、思われる方もおられるかもしれません。

そこにストーリー作りの落とし穴があります。

既に起きた面白い話を、面白く描き起こすという作業はプロの方でも難しいのです。

面白かったこと、感動したことを自分なりにアレンジして新しいものを作るよりも、

日常の中のつまらないこと、自分の中で納得できていないこと、

理不尽でやるせないこと、過去の解消できていないトラウマ。

そういったものを話の種にし、ストーリーのオチに至るところで感動に結びつけるという作業を行う方が、至極簡単なのです。

 また、そういった話はあなたの心の声・たましいの叫びなるものが込められているものなので、読み手の心をふるわせるのです。

例えのエピソードを一つ挙げてみましょう。

私は先日、家の近くの横断歩道を渡る際、赤信号に捕まりました。

ふと、視線を落とすと道の脇に汚物付きの紙オムツ(おそらく幼児用)が捨てられていました。

・捨てたのは赤ちゃん連れの母親だろうか。

・まさかこんな道端でオムツ交換したのだろうか。

・後始末ができない程の切羽詰まった状況だったのか。

・両手が使えず汚物を持ち帰れなかったのか。

・この通学路を通った学生らはこれを見てどんな気持ちになったのか。

様々な思考がめぐりました。

汚いものをそのままにできない私は、日が落ちてから汚物を処分しようと保護手袋とマスクを着用し、ビニール袋2枚を持参して現場へ向かいました。

日が落ちてから向かった理由は、その姿を人に見られたくなかったからです。

善意の行動というよりは、ゆるせない衝動と言い表わした方が適当でした。

地面にへばりついた汚物は想像通り固く、ゆっくりゆっくり力を入れつつ、

めりめりと剥がすより他ありませんでした。

マスクをしていても臭いました。

 瞬間、「ずにゅる」と汚物が前へすべりはがれる時がありました。

 この瞬間、私はものすごく大きな気づきを得た気がしたのです。

 この感触は、この汚物を拾おうとした自分にしか知り得なかったものだと。

取るに足らないような実話ですが、話の種にしては、

あまりに人を惹きつける要素が散りばめられていたことにお気づきでしょうか?

◎汚物付きの紙オムツが道端に捨てられていたという事実。

◎それを無視できない自分が見つけたという事実。

◎汚物が放置されて日が経ち過ぎていないことが分かる「ずにゅる」という感触。

この話の肝は、もちろん汚物付きの紙オムツなんかではありません。

『他の人が経験しがたく、得がたい感触(センス)に、自分だけが気づいた希少性の高さ。原体験にこそ、途轍もなく大きな価値がある』

ということを言いたいのです。

もしもあなたの毎日が面白くない、つまらないと思うことがあるなら、

なぜつまらないか?

なぜ面白くないのか?

どういう変化を起こせば面白くなるのかを考えて、

行動してみることです。

多くの人は考えることすらせずに素通りします。考えた人も行動までには中々、至りません。誰も為さない行動というのは勇気がいるからです。

誰も言わない至極まっとうなことを言う。 

誰もやらない当たり前のことをやる。

そこに話の面白さはあると思うのです。

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