書籍のタイトルに「一流」とついていたので気になった。
「社員の告白」ときて興味を持ち、なか見を検索。
のち、絶対買おう、全部読もう。となった。
なんとも、気持ちの入る本を読んでしまった。
アウトプットしなければこれは読んだことにはならないだろう。
まず、この本は脚色を入れたノンフィクションである。
実在する社員(著者)と「厄介な」顧客らとの数々の修羅場、
仕事の向き合い方により、心がどう擦り切れていくのか。
壊れていくのか。
「自らの働き方について見直すヒント」が著者・笹島さんの視点で綴ってある。
この告白本は自分にもこの先、起こりうることかもしれない。
もしくは周りの人達にも起こりうることかもしれない。
同様のことが、
この先の世界で起こらないように。
読みおえた所感を記録として残していこうとおもう。
パソコンの中身には所有者の人格を写したデータが詰まっている。
精密機器であるがゆえ、取り扱う人によっては得体の知り得ないもの。
それが故障したという事態から、人はこうまで錯乱するのか。
・暴力団構成員から日本刀を突きつけられての脅し。
・警察からの捜査協力、顧客からの脅迫、軟禁、数えきれないほどの土下座。
・役職を持つ、酒に酔った客からの強烈で理不尽なクレーム。
・怪しい宗教団体の話に怯える客。
・ある会社の創業者が、一人息子(成人している)の家出に警察を巻き込んでの捜索。
・自分の不備から起きた怒りの感情で、パソコンを投げつけてくるビジネスマン。
(著者は鼻血を出し激痛を負わされている)
・利害関係のある会社重役の愛人、からの。自傷行為を用いた意味のわからない迫り。
etc
顧客だけではない。
なんの前触れもなくゴミ箱を蹴り飛ばし、
散乱したゴミを自分でかき集めてゴミ箱へ入れなおし、
何事もなかったかのようでいる後輩社員。
「仮病で休んでもいいですか?」
休む理由を仮病と堂々と言うところ正常な判断力ではない。
心を擦り切らした後輩社員・著者の日常とはどんなものか。
地獄でしかないだろう。
パソコンに限らず携帯、家電、ありとあらゆるサービス業のサポートセンターに就く人の苦しみ、辛さが少しでも理解できる本だ。
著者のような「特殊対応」に就く人に限ってのことではない。
飲食店の店員さん。コンビニの店員さん。会社のパートさん。
アルバイター。非正規雇用の人たち。
もっと言えば周りの家族。
仲間。
人と人とが対になっておこる関係性。
思いやり一つあれば。
そこまで心を乱すほどのことではないであろう。
顧客は大事だが、独りよがりな顧客に奪われる時間は意味がない。
2016年に著者の笹島さんは退職されている。
笹島さんのヒントはこうだ。
「理不尽なことには声をあげるべきだ。」
「もうダメだ、死ぬしかないなんてことはない。逃げ出せばいいんだ。」
著者の修羅場を擬似体験し、自らの働き方。
生き方への覚悟を、より深めようと思える一冊だった。
最後に個人的なことを。
パソコンやスマホなどのモバイルを悪用して使用するものに言いたい。
本当の意味でのダークウェブはこの世に存在しない。
なぜなら、人の心までは誰にも暗号化することができないから。
行い一つ。
心持ち一つ。
素直さ一つ。
全てにその人が現れている。